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馬と旅行 イギリス編その2
2000年11月<チェルトナム>

OPEN NOV.19.2000


さあ、いよいよ競馬場です。日本の競馬場にもろくに行った事の無い私、見るもの聞く物珍しくて、楽しかったです。

写真が増えました。2001.04.25.クリック☆

D・フランシスと競馬/にわかギャンブラー?/パドックと装鞍所/遙か彼方の障害レース/コースと障害
イギリス1〈ロンドン〉/イギリス3〈チェルトナム競馬場:その他〉

小さい写真をクリックすると、大きい写真と解説のページに飛びます☆


D・フランシスと競馬
Dick Francis

まず、競馬は門外漢の私が、なぜイギリスの競馬場へ行くことになったかといいますと、ディック・フランシスの小説に、すっかりはまってしまったからなのでした。(「馬の本 番外編 ディック・フランシス」もご覧ください)
馬好きの私が、一年前までディック・フランシスの本を、読んだことが無かったと言うと、ちょっと驚かれたりします。フランシスは、イギリスの障害競馬の元チャンピオンジョッキーで、女王陛下の持ち馬にも騎乗していた、という経歴の、ミステリー作家です。アンチ競馬派であった私は(乗馬の人には、競馬を知らない人がけっこう多いのです)「競馬シリーズ」というタイトルで、敬遠してしまっていたのでした。翻訳物も、ちょっと苦手なところがあって。 しかし!!読んでみたら、面白い!! まだ、現時点では全作読み切っていないのですが、どっぷり、フランシスに浸かってしまっている状態です。

このページでも、フランシスに関する記述がぽろぽろ出てくると思いますが、そう言うわけだということを、まずここに書いておきますね。


にわかギャンブラー?
買って見るか、買わずに見るか

馬術の動きや試合の形式と、競馬のそれとは、根本的に違うのは御存知だと思います。乗馬、特に馬場馬術などの場合は、動く姿(ウォーク、トロット、キャンター)の美しさを競うわけで、力を内にため込んだ状態になっています。スピード競技でも、たいていは一頭ずつでスタートして、タイムで競いますね。障害競技でも、歩様は駈歩(キャンター)です。総合馬術だと、野外騎乗で襲歩(ギャロップ)を使う事もあるようですが。
それに比べて、競馬はスタートから全行程がギャロップで、力を発散しているという感じでしょうか。それも、たくさんの馬がごちゃごちゃと一斉に走り出すものですから、これは、同じ馬のスポーツと言っても、やはり「違う」のでしょうね。

さらに、一番の違いは競馬は「ギャンブル」だということです。(イギリスの場合は、スポーツは、ほとんど何でも賭の対象になるというのは、有名な話ですが、そう言う意味ではなく) たとえば、馬をちらりとも見ることがなくても「競馬が好き」という人もいますね。それは「賭けるのが好き」という意味なんでしょう。逆に「馬が好き」と言っただけで「ギャンブラー(必ずマイナスイメージ)」だと思われてしまったりします(笑)

さて私の場合、馬術でも競馬でも、ポロでもサーカスでもチャグチャグ馬っこでも、馬が見られれば何でも嬉しいわけです。しかし、せっかく競馬場に来たのだから、馬券も買ってみようと何レースかは、買ってみました。たいていの人は、競馬は馬券を買った方が、楽しめる、と言うし。
が、わたしはどうも、買ったほうが面白くない、らしい。買った以上は結果が気になる。そうすると、レースが純粋に楽しめない。確かに当たると嬉しいけど、当たらなくても(だいたい、当てようとして買っていない。可愛い馬とか、変な奴とかで買うから(笑))悲しくはない。競馬が好きな人は、血統がどうの、過去の戦績がどうの、騎手や距離、馬場状態がどうので、分析をしてそれで賭けて、当てることを楽しみにしている様ですが、私はそういう事には、全然興味がわかないし…それでわかったのは、私には全く、ギャンブルを楽しむ遺伝子がない、ということ。根っからの、ホース・ウォッチャー(笑)なのでありました。
というわけで、ここから先、競馬場やレースのご紹介をしますが、競馬愛好家、またはギャンブラーの方々には、物足りないと思います。その点はあしからず☆ 写真だけでもお楽しみくださいませ。

とは言え、1日6レース有る内の2〜3レースは買っていたかな。記念に馬券も欲しかったし(笑) たいてい馬の顔を見て、好みの子を買ってたから、当たりません。だって、パドックできょときょとして、可愛い子をえらぶから。勝つのはたいてい、落ち着きがあって、堂々とした馬だものね☆ でも、メインレースだけは、出馬表と新聞だけで買いました。本命と2番手、そして、唯一名前を知っている「セリベイト」、そうあの、中山グランドジャンプに来日していた馬です。勝ったのは、本命馬でした。これで「払い戻し」も経験出来たし。良かった良かった☆


パドックと装鞍所

日本の競馬場が、どうなっているかは、テレビでしか知らない私ですが、装鞍所は見ることが出来ないと思います。ここ、チェルトナム・レース・コースでは、競馬場の厩舎から馬が引かれてくる所、装鞍所、そしてパドック、本馬場への通路、全て間近に見ることが出来ます。レースの行われるコースの方と、パドック、装鞍所と、行ったり来たりで忙しく、時間はあっという間に過ぎてしまいます。

日本との違いで、すぐに目に付くのは、女性の厩務員さんがとても多いこと。半分くらいは女性、もっと多い感じもしました。金髪の可愛い女の子がたくさんいて、目の保養…って、何を楽しんでいるんだか(笑)


遙か彼方の障害レース

とにかく、この競馬場は広いのです。私のカメラでは全然届かないので、写真はあまりありません(;_;) 向こう正面等は、肉眼ではほとんど見えません。双眼鏡をのぞいてすら、やっと小さく馬が見えるという状態なのでした。おまけに坂の起伏が激しく、馬がいない!と思ったら、坂の下の方から上がって来たりして、見る方には楽しいけど、お馬さん達は大変☆

3日間通った内、1日目は天気も良く、馬場も良かったのですが、その夜から雨が降って、メインレースのある2日目は、降ったりやんだり。レースの間はやんでいましたが、落馬がとても多かったです。ただ、馬も騎手も大けがにはならなかったようで、それはよかったです。
騎手が落馬しても、馬は走り続ける事が良くあります。あるレースでは、第1障害で落馬したらしい空馬が、馬群と一緒に走っていました、あらあらと思っていたら、2周目までしっかりついてきている。これは、競走馬の習性と言うよりは、グループで行動したい馬の習性でしょうね。でも、最後の障害のまえあたりで、コースをそれていました。「いつも、あそこで鞭が飛んでくる…」という記憶がそうさせたのでしょうか?

日本の障害競馬では、ゴールしないと次のレースに出るのに不利になるらしいのですが、イギリスでは、そんなことは無いのでしょう。凄く遅れて、入賞の可能性のない馬は、ゴールしないで、帰ってくることもあります。見たところ、故障でもなさそうなので、次のレースの為にも、無理をさせないということなのでしょうか。長い坂道を、全力疾走するのとしないのとでは、疲れの残り方が違いますからね。(もしかしたら、違うかも知れませんが…)


チェルトナムのコースと障害
Chelteham Racecourse

2000-2001年の障害競馬のシーズンは10月から4月。今回行った、チェルトナムのゴールド・カップを含む3日間は、シーズンの始めの大きなレースだったようです。チェルトナムは、障害専門のコースです。ほとんどの競馬場は平場か、障害かどちらか専用に出来ています。今回のチェルトナムでも、障害の無いレースはひとつだけありましたが、若い障害馬の経験の為のレースというものの様でした。

イギリスの障害レースは、大きくわけて2種類。「ハードル」と「スティープル・チェイス」です。ハードルはその名の通り、ぶつかったら倒れてしまう、低い障害(約106センチ以上)。チェイスの方は、障害はしっかりした作りの固定障害(約150センチ以上)なので、飛越を失敗すると、馬が転んでしまいます。日本に良くある障害のように、かき分けて通るようなタイプのはありません。ハードルは4歳以上の若い馬、チェイスは5歳以上です。ハードルで始めて、チェイスに行くのが良くあるパターンの様ですが、ハードルをずっと続ける子もいるようです。距離は2マイルから4マイル半(グランドナショナル)と色々ですが、今回の開催では、3マイル7ハロン(furlongs)が最長だったようです。ちなみに日本の競馬用語で「ハロン」て言っているのは、今なら「ファーロング」とでも言われそうな単語だったのね。初めて知りました(笑)1マイルの8分の1、約201メートルということです。

フランシスの小説を読んでいても、若い馬だからハードルレースに使うとか、大きな障害を楽々越えるとか、書いてあって、どんな物なんだろうと思っていたのです。今回の旅行で、だいぶわかってきました。スタンドから、一番離れたところで、悪さをする人がいるのは、どの作品だったっけ? 確かに見えないよね。 あのレースの最中、おしゃべりをする騎手達って凄いなあと思ってしまったり。障害の近くで見ていると、飛びの上手い馬と、そうでない子の違いは、良くわかります。また、余力を残している馬も確かにいるし、疲れ切っている馬がもうふらふらなのは、平地では見られないほどなのよね。百聞は一見に如かずとはまさにこのこと☆


イギリス1〈ロンドン〉/イギリス3〈チェルトナム競馬場:その他〉



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このページの背景等は「Ouma club」さんから頂きました。