モンゴル旅行2012《TOP》
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馬と旅行 特別編 モンゴル 2012 〜乗馬編3〜 《乗馬三日目、バヤンツォグトキャンプ〜ソゴートキャンプ》
乗馬三日目。昨日の落馬でKAさんは残念ながら、車で移動です。朝、馬たちのところに行くと、彼女の乗っていたぶち毛は、今日はB君が乗って、彼の馬は鞍なしで彼に引かれていくことになっていました。
キャンプの女の子たちに見送られながら出発です。到着から出発まで、とても感じの良いお嬢さんたちでした。元気でね。昨日来た方向と反対の、北方向に進みます。モンゴルでは、ゲルの入り口は必ず南を向いているので、ゲルがあれば、大体の方角がわかります。ゲルの天窓は、差し込む光でおよその時間もわかる日時計の役目もしています。
ちなみに、モンゴル語では、南と前、北と後、西と右、東と左、が同じ単語です。不思議だけど、ゲルで生活するとなんとなく納得できます。
上の写真は、夕方撮影したものです。お馬の影が西日を受けて東に長く伸びています。向こうに見えるゲルの扉が南向きなのがわかるでしょうか。人が南を向いて立ったとき、右手が西、左手が東、後ろが北です。
今日も草原を進みます。途中麦畑があったけれど、今日の麦はかき分けて進むには背が高すぎるので、畦道を快調に速い速歩で進みます。この日が、今までで一番風が吹いていて、気持ちがよかったです。お昼は丘の中腹で。今日は、今までで一番空の色が綺麗で、白い雲がまた一段と映えています。
若いBくんは、携帯電話を持っていて、馬の上でも時々話したり、写真を撮ったりしています。私のカメラも渡して、撮って頂きたい気分でしたよ。お昼を食べた後、みんなと少し離れて、丘の斜面で誰かと話しているかメールをしているのでしょうか。ピンクのTシャツが緑といいコンビネーションです。右の写真の左端の、小さい点が彼です。モンゴルの大草原というと、平らなイメージがありますが、もちろんそういうところもありますが、私たちが通ったルートは、かなり起伏が多くて、上り下りと変化に富んでいて楽しかったです。
休憩時間に振り返ると、あの山を越えてきたのね〜〜と感動します。乗馬クラブでは、長方形の馬場を、何度もぐるぐる回っているだけなので、距離感は全くわかりません。でも、やっぱりお馬の脚は早いです。後ろの馬が、あんなに離れてしまったわ、と思っても気が付くとすぐに追いついてくるのです。止まった車から見ていると、みるみる遠ざかって間もなく見えなくなってしまうそうです。
お馬たちもスタミナがあります。常歩、速歩、駈歩、取り混ぜているとはいえ、毎日一日中人を乗せて進んでいるのに、とても元気です。人間の休み時間は、お馬もお食事タイムです。草原に生えている草を好きなだけ、もりもりもりもりといい音をたてて食べます。お昼を食べ終わり、ひとしきり写真をとったあと、草の上に体を横たえて休憩。地面から見る草、緑の丘、空の青、白い雲美味しい空気、さわやかな風、ああ、やっぱりモンゴルはいいなあ、と、しみじみしていると誰かの「もう乗ってるよ〜」の声。ガイドさんすら横になっていたのに、みんなであわてて出発。あとで聞いたら、Nさんが一人で乗ってみたくて、ちょっと乗ってみたら、B君が出発だと思って用意を始めたという事でした。大笑い。
人間も個性がいろいろあるように、お馬も個性いろいろです。馬同士仲良しさんもいるし、あんまり仲が良くない馬もいて、近寄るとちょっと不機嫌になったり。さっさとグループの前の方を進む子もいれば、のんびり後ろをついて行く子もいます。
私の乗った栗毛くんと、Aさんの粕毛くんは仲良しで、休憩時間には、いつもくっついています。KOさんの馬とガイドさんの馬は、兄弟なのに、仲が悪かったり。
そして、Nさんの鹿毛くんは、とってもマイペースで甘えんぼさん。一番個性的でした。いつもゆっくり後ろの方を歩いて、遅れてしまうと走って追いつくのではなく、ひひーんと鳴いて待ってよ〜〜と訴えます。やっとみんなに追いついても、またゆっくり歩いて遅れてしまうのです。しまいには、B君が一番前から後ろに走って行って追い立ててやっと駈歩をするという事もありました。みんなが縛られているときも、彼だけは縛らなくてもどこにも行かないし。でもみんなが団子になってくっついているときでも、一人はなれて小さい日陰を求めて、車にくっついていたりします。Nさんは、自分の性格に似ている(笑)といって、とても気に入っていました。写真のように、いつも口元に草をくわえてもぐもぐしているのもかわいかったです。
Aさんの粕毛くんも、自分のポジションがあって後ろでも前でもなく、真ん中、ゆっくりになっても一番後ろにはならない位置が好き。そして私の栗毛くんは、彼の尻尾に鼻先を押し付けてハエ除けにしているのがかわいい。時々くすぐったいと尻尾を振られてしまうのですが、またくっつきます。この日は私が黒い服を着てしまったので、余計ハエを集めてしまったみたいで、気の毒なことをしました。(モンゴルへ乗馬に行く方は、黒い服はさけたほうがいいですよ)黒くなくても、ハエはある程度馬の顔の周りに来ます。尻尾の届く範囲は払えるし、肩のあたりは皮膚を震わせて追います。そして顔の周りは、顔を揺らしてよけるので、モンゴルのお馬はみんな始終顔を上下に動かしています。
そして時には、何かほかの方法を見つけます。KOさんの乗ったぶち毛君は、前を行く2頭のお馬の後ろにぴったりついて、なんと馬の腰と腰の間に上から顔を突っ込んで、ハエの来る余地が無いようにしているのでした。賢いというのか、ちゃっかりというのか、大胆というのか(笑)それを見た私の栗毛君もやってみようとしていましたが、気の毒に体高が低いのでうまく突っ込めないのでした。証拠写真が無いのが残念。日本でお馬に乗るときは、あまりくっつかないようになどと注意されますが、ここではお馬任せにしていても何も言われないので、馬の性格や習性がいろいろ見られて楽しいです。
草の上は、道路の車の轍の上より、馬の脚にも乗っている人にも、衝撃が少なくて優しいです。でも、油断禁物。ウサギ穴、というより、タルバガンという動物の穴が、結構頻繁にあって、これが直径20〜30cm位あるので、馬が落ちたら大変です。これだけ大きいと、馬はたいてい飛び越えてくれますが、いきなりジャンプされたら、こちらが驚くので、やはり乗り手が先に気づいて、右か左によけるほうが安全です。ここは、休憩したところで、珍しく3〜4個の穴が続けて有ったので、カメラに収めてみました。
大きさの比較になるもの何かおいて撮ればよかったと、後で気づいたのですが、わきに通る車の轍から想像してみてください。かなり大きいです。タルバガンはモンゴルマーモットとも呼ばれます。モンゴル語ではタルバガーというそうです、ネズミの大きいのみたいなかわいい動物です。でも、今回の旅では巣穴しか見ることができませんでした。前回の旅行では、小さいリスのような小動物が時々いたのですが、今回は家畜以外は、虫さんたちばかりでした。
ちなみに、タルバガンのお肉は美味しいそうです。遊牧民の人は、銃で撃って捕まえるそうです。ただし、今はどうも食べてはいけない動物になっているようです。残念。
今までは、丘を越えても、草原また草原だったのですが、ある丘のてっぺんに上ったら、あらびっくり。向こうに町が見えました。そういえばここには電線も走っています。うわあ。町だ〜〜と、町のある風景にも感動してしまったり。町の中は車も通るので、私たちは馬を下りて車で移動。B君が6頭すべてを引いていきます。なかなか、圧巻です。丘の上から、かなり急な坂を7頭並んで、草地の丘を下っていきます。馬を下りて見ていると、本当にお馬の脚は早いです。
こちらは車に乗り、道路を通って追い越して、彼らが通り過ぎるのを待ってから、また町の中をつかず離れずついて行きます。町の中には、牛が放牧されています。ちょっと、インドっぽいねと車の中で話したりしました。犬もいます。自転車の人も車も、馬に乗って歩いている人もいます。ちなみに、モンゴルの車の多くには、ダッシュボードに写真のような金色の飾り物がおいてあります。チベット仏教のお寺にある、マニ車(まにぐるま:摩尼車)のミニチュアです。お寺の境内や建物の中にもたくさん置いてある仏具です。中にお経が収めてあって、くるりと手で回すとお経を唱えたのと同じことになるそうです。車に乗せてあるのは、これがソーラーパワーで自動的にくるくると回り続けるようになっているのです。モンゴル流交通安全のお守りなのでしょうね。あとでネットで調べたら、日本でも通販で買えるようです。
こうして、引かれている間、お馬たちはおとなしく並んで歩いているのです。つながっているから、逃げようがないのですが、それにしてもあっちこっちに逃げてみようなどとはしていない様子。もちろん、B君はしきりにチョウチョウと声をかけてはいるのですが、こちらからみると、とても素直なお馬たちです。
少し拡大した写真と毛色の説明が《毛色編》にあります。町を抜けて、また草原に出てから、B君はもう少し先まで馬たちに水を飲ませにいきました。待っている間、私たちはバッタを捕まえたりしていました。写真は《いろいろ編》のページにありますのでごらんください。
町を抜けて草原に出た後、今度は少し上り坂。だんだん高い木が生えているところに入っていきます。白樺の葉のざわざわいう音、木陰、森の中独特の匂いが、とても新鮮。今まで全くなかった風景の地域に突然入りました。ここが、お花の咲き乱れるソゴートの森。ゲルキャンプがいくつかあるようです。私たちのキャンプの手前には、バスケットコートもありました。う〜ん、観光地だわ。ここには、モンゴルの人もリゾートに来るそうです。この日も何組かいました。このキャンプの食堂には、大画面の薄型テレビも壁に設置されていました。ロシアのコメディ映画のモンゴル語吹き替え版や、ちょうどオリンピックなので中継や、ニュースなどいろいろ放送されていました。B君はコメディ映画が気に入ったようでした。彼の笑い声を初めて聞きましたよ。
ここの食堂では、スーテーツァイ(モンゴル式塩味のミルクティ)が初めて出ました。モンゴルのバターも出ました。おいしかったです。モンゴル旅行2012《お食事編》
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このページの背景は「手作りCandy」さんからいただきました