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馬と旅行 特別編 モンゴル 2012 〜毛色編〜

《今回出会ったお馬たちの毛色》


モンゴルでは、お馬には名前を付けないそうです。たくさんいすぎるからだと言いますが、とにかくそういう習慣だそうです。たとえば、羊飼いの家で、馬は一頭だけしかいない家でもつけないそうです(少なくとも、今回出会った人たちはそう言っていました)。その代り、馬は毛色で区別し、毛色の名前の呼び方はとても細かいそうです。今回、あまり詳しくは聞けなかったのですが、私たちの乗ったお馬の毛色だけは聞いてきました。



上と右の写真は、町を通過するときにB君が6頭を横に繋げて引いているところです。こうして並ぶと圧巻ですね。6頭を馬に乗って引いて進むのもすごいし、また素直に並んで歩く馬たちもすごいです。

正面左から、お尻は右から、粕毛、鹿毛、栗毛、ぶち毛、栗毛、栃栗毛(?)ぶち毛です。

ちなみに、これは町を通過するから繋いでいるのです。草原を帰るときは、全頭放して追って行きました。




《栗毛》
写真左、私が乗せてもらった栗毛君です。
「ゼールドゥ モリ зээрд морь」というそうです。モリはモンゴル語で馬です。
お耳がかわいいでしょ。モンゴルのお馬の耳は、短くて逆ハの字の形になっているみたいです。いつも私が日本で乗っているお馬の写真をB君に見せたら、耳が立って前を向いているのが珍しかったみたいです。そういわれると、モンゴルのお馬の耳はあまりまっすぐ上向きにならないみたいですね。

写真右は、ガイドさんの乗った栗毛。
「ゼールドゥ ハルザン モリ зээрд халзан морь」栗毛で流星という意味のようです。顔の白い毛が細長くなっているのを流星といいます。


パリ:オートゥイユ競馬場のひき馬のポニーたち「馬と旅行 パリ2010 オートゥイユ競馬場〈後編:軍楽隊、ポニー〉」へリンク(別窓)

☆参考に、左の写真はパリの競馬場で撮った、ひき馬のポニーたちです。背の高さは同じくらいですが、耳の形が確かに違いますね。「馬と旅行 パリ2010 オートゥイユ競馬場〈後編:軍楽隊、ポニー〉」より。

《ぶち毛》

私の大好きなぶち毛が2頭。右が普通のぶち毛。
「アラグ モリ алаг морь

左が、
「ホンゴル アラグ モリ хоигор алаг морь」(赤っぽい黄色のぶち毛)というそうです。

よく見ると、ぶちがギザギザしているのと、なめらかなのと違いがありますね。多分もっとぶち毛がたくさんいれば、呼び方がいろいろ変るのでしょうけれど、7頭のうち2頭だったので、こういう呼び分けになったと思います。かわいいですね。

お尻の模様も違いますね。ぶち毛は、お尻のぶちがまん丸い形になることがよくあるようです。

足は2頭とも白いですが、黄色っぽい子の方が、白地にぶち、普通の色は、栗毛地に白ぶちが入ったような割合いです。

右は、普通のぶち毛くんのほうの正面顔です。前髪が変わった形にカットしてありますね。このカット、風を切って走るときにその意味が分かります。

左の写真、前髪が立ったように翻っていますね。かわいい。ナーダムのお祭りの時に、子供たちが走る競馬では、馬もおめかしをしますが、前髪は結えて立てるのです。この前髪は、モンゴリアン航空のシンボルのデザインのお馬にもあります。
《乗馬編1》に飛行機の翼の写真があります。

真ん中が栃栗毛、手前は赤っぽい黄色のぶち毛。この前髪カットだと、結わなくてもかわいく立ち上がるのね。



《栃栗毛(?)》
残念ながら、B君が初日と二日目に乗っていた馬の毛色を、聞き忘れてしまいました。足が黒くないので、多分、栃栗毛だと思います。モンゴル語だと、フルンとかフレンとかいうようですが、スペルはわかりません。
最終日、みんなが下りてから、馬たちを追って帰るときに、B君は鞍を付け替えて、この馬に乗って行きました。



《鹿毛》
「ヘール モリ хээр морь
濃い茶色の体に黒いたてがみ。足は黒っぽい毛色。気の毒に一番ハエにたかられやすい毛色でした。ハエを払っているのか、体が柔らかいですね。

この子は前髪を全部カットしてしまってあるのかしら?


《粕毛》
「オラーン ボーラル モリ улаан буурал морь」(濃い茶色の粕毛)というそうです。ボーラルが粕毛(かすげ)。

粕毛はサラブレッドにはない毛色ですね。物語には時々出てきます。栗毛や鹿毛の体に白っぽい差し毛がたくさん入っていて、全体が白っぽく見える毛色のことです。葦毛とは違います。光線の具合でいろいろに見えます。

粕毛くんの正面顔。長い前髪が風になびいてかわいいですね。粕毛は顔にはほとんど差し毛がないので、元の毛色がわかります。

この粕毛と栗毛2頭は、前髪とたてがみをカットせず、長いままにしてありました。
モンゴル語のたてがみを刈っていない馬の呼び分け方には、「たてがみが首の右側に下りている栗毛」、「たてがみが首の左側に下りている粕毛」、「たてがみが両側に均等に下りている鹿毛」、「たてがみが半分首の右側に、半分首の左側に下りている葦毛」などというのがあるそうです。遠くから見て、個体識別するのにも役に立つためのようです。


《鰻線のある馬》
右の栗毛のお馬たちは、別のグループのお馬です。日本に帰って来て写真を見て気づいたのですが、なんと「鰻線(まんせん)」が出ています。栗毛の鰻線は初めて見ました〜感動。尻尾まで染め分けなんですね。もっと間近に見に行けばよかったと後で思いました。

鰻線については、「馬と旅行・毛色・モウコノウマ、シマウマ、ロバ、Dun」に詳しく書きましたので、合わせてご覧ください。
下のタヒの尻尾から続く背中にも、少しだけ、鰻線の黒い線が見えています。

★「プルツェワルスキー馬=タヒ(蒙古野馬 もうこのうま)は5000年前の家畜ウマで、野生馬ではなかった」(2018.FEB.22)というニュースが世界を駆け巡ったのですが、眼精疲労がひどくてまだ記事が読めていません。いずれ、少し詳しく載せたいと思っていますが、もうしばらくお待ちください。

《タヒ(蒙古野馬 もうこのうま)》
タヒの毛色は、日本語では河原毛の仲間です。モンゴルでは、日本でいう河原毛と月毛は区別しないそうです。シャルクという色のようですが、タヒの毛色のことも、この色の名前で呼ぶかどうかはわかりません。タヒはタヒかも。
《乗馬編1》にも、タヒの写真があります。

ちなみに、もともと、馬を表す「モリ」は、仕事をさせる年代の馬を指す単語だそうで、厳密にいうと仔馬はモリではないんです。

ちなみに、今回いなかった毛色で、葦毛は「ボル」青毛は「ハル」などと呼ぶようですが、色の濃い薄いでも呼び方は変わるそうで、日本語にすぐには訳せないようです。

◆馬の毛色に興味のあるかたは、こちらのページも合わせてご覧ください。馬の毛色いろいろ




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